ふれあい人権セミナー〈2024年度〉
- [公開日:2025年1月10日]
- ID:3935
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目的
さまざまな人権問題について、正しい知識と認識を培うため学習する機会を提供し、差別をなくすための実践力を養うことを目的に、市民をはじめ、広く社会教育関係団体、地域・諸団体のリーダー等を対象としてセミナーを開催しています。

開催テーマと日程
今日的な人権問題とわたしたちの課題についてテーマを設定し、連続講座形式で行います。
開催日 | 研修テーマ | 講師 | |
---|---|---|---|
1 | 6月18日(火) | ひきこもり支援 | 特定非営利活動法人キャリアサポートセンター奈良 副理事長 井上 麻由美 さん |
2 | 8月20日(火) | 部落問題 | 潮﨑 識衣 さん |
3 | 10月8日(火) | パラリンピック競技 | 一般財団法人日本ボッチャ協会 刀谷 誠 さん |
4 | 11月26日(火) | アンガーマネジメント | NPO法人心のサポート・ステーション 代表理事 宮本 由起代 さん |
5 | 12月24日(火) | 命(看取り) | 一般社団法人日本見取り士奈良研修所 所長 乗本 奈穂美 さん |
6 | 令年7年1月28日(火) | 手話 | 小川 周子 さん |

会場
御所市人権センター 2階 会議室1
※第3講のみ 1階 体育室

開講時間
13時30分から15時

学習形式
講義形式

参加方法
参加無料・申込不要
連続講座形式ですが、興味のある講座のみの参加も可能です。お気軽にご参加ください。

開催報告

第1講

演題「誰もが人生の主人公」ーひきこもりからの脱出ー
6月18日(火)13時30分から御所市人権センター会議室1にてふれあい人権セミナー第1講を開催しました。
この日は34名の参加者が集まっていただき、キャリアサポートセンター奈良副理事長の井上麻由美さんをお招きし講演いただきました。
現在、ひきこもりの人数が全国で15歳から24歳の年齢層の中で推計146万人に上り、奈良県でも推測1万人以上がいるとされています。
そんなひきこもりの若者を救いたいという思いから、社会との橋渡しをする若者就労支援キャリアサポートセンター奈良が立ち上げられ、日々相談業務や支援活動をワンストップ体制で活動されています。
井上さんは、支援対象者について「ひきこもり、ニート、人間関係、精神疾患に不安を抱えられていて、自ら一歩を踏み出せず、人を信用できないという方がほとんどですが、一方で人と関わりたい、働くことを希望される方が多い」と語られていました。
また、ひきこもりの方への支援についても「理解がある人が、常に側で寄り添い支援することで、当事者が安心して働き、成果を出すことが大事」とも仰っていました。
参加者の中には、現在、家族や知り合い、友人にひきこもりの方がいるという方がおられ、90分のセミナーで、井上さんの支援活動やひきこもりの方へのアプローチの仕方などを聞き、参加して良かったと好評いただきました。
「ひきこもり」という、身近なテーマではありますが、参加者の方からは今までにないテーマとアンケートへの記載が多かったので、今後とも「ひきこもり支援」の啓発をもっと市全体でしていかなければと感じました。
次回は8月20日(火)に部落問題をテーマとして塩﨑織衣さんをおまねきします。
みなさんのご参加を心よりお待ちしています。

第2講

演題「大きな社会の小さな声」ー私と私の中の被差別部落ー
8月20日(火)13時30分から御所市人権センター会議室1にてふれあい人権セミナー第2講を開催しました。
この日は36名の参加者が集まり、講師には潮﨑識衣さんにお越しいただきました。
学者のような、歴史的な背景といったお話ではなく、部落問題に関わる当事者として、自身が感じたこられた思いを語っていただき、参加者の方々も時折頷いて共感されていました。
幼少の頃には、「地元が被差別部落である事は自然と知っていたが、部落出身は気にしたことがなく、自身には部落差別は無縁だと思っていた」と語られており、むしろ、住民のみなさんからは『「人を人として見る考え方」を教えてもらった事を嬉しく思う』ともおっしゃられていました。
20代後半で初めて、自身の職場にて部落差別を目の当たりにし、困惑されたとのこと。その後、「部落出身であることを隠して生きていこう」と決断された時の想いや葛藤などを涙ながらに語っておられました。
直接、潮﨑さんへ向けられた差別発言ではなかったにも関わらず、マイクロアグレッション(自覚なき差別)で生き方まで変わってしまう事の怖さについて、部落問題関係なく、何時如何なる時、誰にでも加害者になる可能性がある事は、聞いていた参加者のみなさんにも驚きの表情が浮かんでいました。
その後の良き理解者との出会いや、生きづらさを感じている人やマイノリティがひとりじゃないと思える場所をつくりたいとの思いで、「Futatsu:」を結成され、偏見を偏見とは気づいていない人や、知らない・関心がない・知る機会がない人へ、知ってもらえる活動を始められ、現在もその熱を持ち続けられているそうです。
今回は「部落問題」という、長年課題とされるテーマではありますが、当事者としての想いや、体験をわかりやすくお話いただき、とても有意義なセミナーになったと感じています。
次回は10月8日(火)にパラリンピック競技をテーマとして一般社団法人日本ボッチャ協会の刀谷さんをおまねきします。
みなさんのご参加を心よりお待ちしています。

第3講

演題「パラスポーツからできるコミュニティ創出と障がい者理解」
10月8日(火)13時30分から御所市人権センター体育室にてふれあい人権セミナー第3講を開催しました。
この日は24名の参加者が集まり、講師には刀谷誠さんにお越しいただきました。
通常のセミナーとは違って、体験を含めた回となりました。
最初にパラリンピック競技の「ボッチャ」について、ルールや障がいのある方が、サポートを受けてどのように競技を行うかなど、10分ほどの簡単な説明動画を見て学習をしました。
その後、チーム分けをアイスブレイクと併せて行い、口に出さず、ジェスチャーだけで血液型や星座別に分かれるレクリエーションは、どのように表現して良いかわからず参加者のみなさんは困惑されていました。そのあと、刀谷さんから、パラリンピックでは、選手によっては目だけで意思の伝達をしないといけない場面がある事を教えていただいたときは、納得とあまりの難しさに驚いていました。
そこから、ボッチャのボールを使ったレクリエーションを行ったあと、ボッチャ競技の体験へうつる頃には、6人1チームに分かれた時と比べて、コミュニケーションが活発になり、その日初めて会話した相手だとわからないくらい1投ごとについてチームで話す姿は、本日の講演テーマである「パラスポーツからできるコミュニティ創出」を体現していると感じました。
また、所々で刀谷さんから、パラリンピックでの実情や、障がいのある方が苦労されている事などを説明されて、障がい者理解という面においても、学習ができたと思います。
今回は「パラリンピック競技」であるボッチャを通しての学習でしたが、終わる頃には、参加者のみなさんに笑顔があふれ、今までにないほど楽しんでいただいたセミナーになったと感じています。
次回は11月26日(火)にアンガーマネジメントをテーマとしてのNPO法人心のサポート・ステーション 代表理事の宮本さんをおまねきします。
みなさんのご参加を心よりお待ちしています。


第4講

演題「楽な人権関係を築こう-我慢は禁物!怒りも上手に表現しましょう-」
11月26日(火)13時30分から御所市人権センター会議室1でふれあい人権セミナー第4講を開催しました。
この日は29名の参加者が集まり、講師にはNPO法人心のサポート・ステーションより代表理事である宮本由起代さんをお招きしました。
アンガーマネジメントをテーマに日常生活の中でも感じることがある「怒り」という感情について、第4講のセミナーでは深く考える機会となりました。
怒りを感じたときのクールダウンの仕方であったり、自己暗示の言葉等、普段考えずにしていることを、改めて考えることはアンガーマネジメントとしてとても大切であるということと、発想の転換(自分を緩める考え方)を実践を交えながら、教えていただきました。
最初は、難しいと感じていましたが、さまざまな事柄から、どのように考えるか、またどのように相手に伝えるかを丁寧に繰り返し教えていただくうちに理解できました。
セミナーの中で宮本さんが何回も発言されていた言葉が、「物事に対しての考え方を【〇〇ねばならない】ではなく【〇〇であればうれしい】と思うことが大事です。」というものでした。
人の考え方や行動を変えるのには、大きな労力を伴う。それよりも自分ができることを提案し、それでも無理な場合は諦めることも大切。自身の怒りをうまくコントロールするには、実践や点検を繰り返し、少しゆとりある思考を持つことが如何に大切であるかを学びました。


第5講

演題「人生の最期まで尊厳が大切にされる社会」
12月24日(火)13時30分から御所市人権センター会議室1でふれあい人権セミナー第5講を開催しました。
この日は34名の参加者が集まり、講師には一般社団法人日本見取り士会奈良研修所の乗本美奈穂さんをお招きしました。
命について今一度考えることをテーマに、誰しもが平等に訪れる「死」をどのようにして迎えるのか、そのための準備はどのようにしていくのかを講演いただきました。
講話のなかで、乗本さんから「みなさん、まわりの人に日頃から感謝を伝えていますか?」という問いをなげかけられました。私自身の中で、日ごろ感謝の言葉を伝える機会が少なくなってきていたので、少しドキッとしましたが、そのあと加えて、「是非、寝る前にノート等に感謝の言葉を書いてみてください。もし、何かがあったとき、そのノートが遺書になり、中には感謝の言葉が綴れており、残された家族にも伝えることが出来なかった感謝を伝えることができます。」と話されました。
「見取り士」という、今までに聞きなれない職業ではありますが、人の最期に真摯に向き合っておられる乗本さんを始め見取り士の方々の活動内容を講話、ワークショップ等を通して知ることができ、とても感動しました。
次回は1月28日(火)に手話をテーマとしての奈良県手話通訳士協会の小川さんをおまねきします。
本年度最後のセミナーとなりますので、みなさんのご参加を心よりお待ちしています。
