條ウル神古墳
- [公開日:2024年5月17日]
- ID:3961
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古墳
條ウル神古墳
古墳について
條ウル神古墳は宮山古墳から東へ約1km、巨勢山古墳群の北側に位置しています。
長さ60mから70mの前方後円墳または長方墳とみられ、古墳時代後期に造られたとされています。
大正5年(1916)に当時の奈良県技師であった西崎辰之助氏により「條ノ古墳」として報告されていましたが、石室や石棺の規模があまりに大きなものであったことなどからその信用性を疑問視されていました。
周辺地形の改変などによって、古墳そのものが判然とされなくなっていたことから2002年に石室の所在と現状を確認するための調査が行われました。その調査では、西崎氏の報告の通りの巨大な石室と石棺が存在することが判明しました。
埋葬施設は、全長15.6m以上、玄室長7.1m以上、玄室幅2.6m以上、玄室高4.2m以上、羨道長8.5m以上、羨道幅1.9m以上に及ぶ巨大な両袖式の横穴式石室(注1)です。その規模は蘇我馬子の墓とされる明日香村の石舞台古墳に匹敵するほどです。
また玄室の奥壁寄りには二上山産白色凝灰岩製の刳抜式家形石棺(注2)が納められています。この石棺には、石棺を運ぶ際に縄を掛けるための縄掛突起が、長辺に各3つ、短辺に各1つの合計8つあり、これは全国的にも極めて珍しい特徴であるといえます。
遺物は、盗掘を受けているものの、金銅製の冠や青銅鏡の破片、銀製の装飾品が出土しています。
※石室は現在埋め戻されているため見学できませんが、道沿いから墳丘を眺めることができます。
注1:両袖式(りょうそでしき)横穴式石室とは
石室には古墳の上から長方形の穴を掘り、そこに棺を安置する竪穴式石室と、石材を積み上げ、古墳の側面に入り口を設けた横穴式石室があります。横穴式石室は、棺を安置する玄室(げんしつ)と通路にあたる羨道(せんどう)から成り、古墳の築造後に羨道を使って棺を搬入し埋葬されます。両袖式とは玄室と羨道の接続部が両袖のように左右に広がっているものをいい、他に無袖式・片袖式などの種類があります。(図1参照)
注2:刳抜式家形石棺(くりぬきしきいえがたせっかん)とは
石棺には、大きな石をくりぬいて身と蓋を作った刳抜式と、石材を加工して板石をつくり、それを組み合わせてつくった組合式のものがあります。その中で蓋の形が屋根形になっているものを家形石棺といいます。
古代豪族との関係
條ウル神古墳の被葬者は分かっていませんが、当時大きな力を持っていた巨勢氏の首長墓級の墓である可能性が高いと考えられています。
古墳時代後期のヤマト政権中枢と古代氏族の関係を考えるうえで重要な古墳として、令和3年10月11日付で国史跡に指定されました。
アクセス
バス:コミュニティバス「條」下車徒歩6分
車:御所南ICより東へ6分
條ウル神古墳発掘調査報告書
2019年に條ウル神古墳の発掘調査報告書が刊行されています。
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