令和6〈2024〉年御所市議会12月定例会
- [公開日:2026年8月28日]
- ID:4725
ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます
本日、ここに令和6年御所市議会12月定例会が開会され、市長就任後初の本会議におきまして、市政運営に係る私の所信の一端を披露する機会をいただきましたことは大変光栄であり、心より厚く御礼を申し上げます。
市民のみなさん及び市議会議員各位にご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、5期16年余りの長きにわたり、危機的な財政状況の中で改革を断行し、実質収支の黒字化を実現されるとともに、将来的に持続可能な都市基盤づくりにご尽力をされた東川前市長に、改めて心より敬意と感謝を表するものであります。
ご案内のとおり、私、山田秀士は、去る10月20日執行の市長選挙におきまして、無投票という形ではございますが、市民のみなさんからの信託を受け、第7代御所市長として市政運営の重責を担うこととなりました。今回の選挙を通して多くの市民のみなさんから寄せられました叱咤激励のお声やご期待のお言葉など心温まるご厚情に対して、この場をお借りして、心より御礼を申し上げます。
今、こうして壇上に立ちますと、市政運営を担う職責の重さに身の引き締まる思いでございますが、これまでの経験を生かすとともに、御所に生まれ、育ち、御所を愛し誇りに思い、常に我がまちを見詰めてきた市民感覚を忘れることなく、ふるさと御所の持続的発展に尽力させていただく所存です。それと同時に、前市長が進めてこられた市政の歩みを継承し、さらに発展させることが自分自身の責務であると強く決意をしております。
現在、本市では、人口減少、少子高齢化、それに伴う地場産業の衰退、農林資源の荒廃化という、我が国の中山間地域、特に過疎地域の共通課題が顕在化しております。実際に、本市の現状、課題について全庁各部署からの聞き取り調査を行ったところ、さまざまな分野、領域で厳しい課題が山積していることを再認識した次第でございます。
しかしながら、明るい豊かな社会の実現という思いを失わず、これからの任期4年間を市のさらなる飛躍の好機として、市民、議会、そして行政が三位一体となって知恵を出し、汗をかき、英知と情熱を結集することによって、必ず道が開かれるものと確信しているところであります。 私はこのまちが好きです。しかしながら、今の御所市に同じように、このまちが好きだと胸を張って言える方々が老若男女合わせてどれぐらいいらっしゃるでしょうか。
この御所市役所から西の方角を見ると、すぐそこには金剛山、葛城山が雄々しくそびえ、その山々は太古よりこの地が織りなす悠久の歴史を見守ってきました。そして、今から66年前の昭和33年3月31日、御所町、葛村、葛上村、大正村の4町村が合併し、御所市が誕生しました。先人たちの壮絶な努力が積み重なり、今の御所市が存在します。
そして時代は大きく変化し、他者との関わりにおいてそのつながり方が多様化し、直接的な人と人との触れ合い、人と地域との触れ合いが薄れていこうとする中で、このまちが好きだと声を高らかに叫ぶ人の数も減少傾向にあるのではないでしょうか。
私は、平成26年に市議会議員として初当選させていただき、3期10年間余り、地域に根差し、市民のみなさんの近くで活動を行ってまいりました。その中で、さまざまな考え方を持つ人々と出会いました。時には、意見の相違から長時間の議論になる姿も目の当たりにしてきました。しかし、このまちのためにという思いは双方に違いはなく、そこに至るアプローチが少し違っただけなのです。そのようなことに気づいてから、それぞれの思いを重ね合わせることができればとても大きなパワーになるんだという発見がありました。
このような自分自身の経験を基に、いま一度、66年前に先達が新しい御所市を発足した創始の精神に思いをはせ、今を生きる私たちの手で、私たちの行動で、このまちが好きだと声高らかに叫ぶ人であふれる、そんな御所市をつくってまいりたいと考えています。
市政運営の基本理念、ビジョンとしましては、「来る人も 暮らす人も 心穏やかに過ごせるまち ごせ」を中心に据え、「ともに拓き ともに創る ごせの未来」をビジョン達成のための政策スローガンとさせていただきます。
全ての市民と市に関わりを持ってくださる方々が報われる御所市を目指して、御所市に生まれてよかった、御所市に来てみてよかった、御所に住んでよかった、そして御所に住み続けたいと思えるまちづくりを、みなさんと手を携えて進めてまいります。
本市は、歴史、文化、自然環境などさまざまな分野で貴重な地位を占める地域として、今後の発展に期待が寄せられていると感じています。確かに、少子高齢化、人口減少が顕著ではありますが、一方で、私はまだまだ、本市は大きなポテンシャルを秘めていると考えます。このまちが持つあらゆる資源をフルに活用し、持続可能な都市として輝いていくまちをつくり上げていく決意であります。
山積する諸課題はありますが、これらを一つ一つ着実に解決し、市政を前に進めるために、選挙中に私が訴えてきました施策及び市議会議員時代からライフワークとして取り組んでいる政策を、3つのテーマを柱として申し述べさせていただきます。
まず、1番目は、「未来を担う子どもたちの環境づくり」であります。
前市長が一丁目一番地として推し進めてこられた新しい学校づくり、いわゆる学校規模適正化につきましては、児童・生徒数の減少に伴う教育現場の実態を鑑み、適正規模の集団教育環境を早期に整備することが、心身ともに成長期にある子どもたちにとって必要不可欠であると強く認識しております。今般、新しい学校の場所、運営形態、スケジュールなど、市が考える具体的な方向性についてお示しをした上で、市民、議会のみなさんと建設的な意見交換を重ねながら、未来を担う子どもたちが夢と誇りを持って仲間と学び、語らい、成長することができる学校をつくってまいりたいと考えております。
また、同時に、この新しい学校づくりが具現化するまで一定の期間を要することから、まずは現在の学校教育の課題である小規模校化のデメリットを最小化し、子どもたちの教育環境を充実させることを平行して取り組んでまいりたいと考えております。奈良県教育委員会及び奈良教育大学等と締結した包括連携協定を活用しながら、学校規模適正化の機運醸成と学力向上を図る「GOSE PLAN」を具現化すべく、学校間交流を促進し、合同部活動のさらなる充実、ICT機器を活用した遠隔授業の実施を推進するなど、7小学校、4中学校の児童・生徒が一体感を持ち、新しい学校につなぐ施策を着実に進めてまいります。
また、就学前教育・保育施設の再編につきましては、前市長が進めてこられた、北部に認定こども園、南部に保育所を整備する考え方を基本といたします。具体的には、南部の保育所は既存施設の大規模改修を行い令和9年度の供用開始を目指すとともに、北部の認定こども園は可及的速やかに場所とスケジュール等をお示しし、市民、議会のみなさんと建設的な意見交換を行い、よりよい就学前教育・保育の実現を進めてまいります。
いずれの事業におきましても、御所市の次代を担う未来を生きる子どもたちの目線に立ち、丁寧かつスピード感をもって進めさせていただきます。
2番目は、「安全で安心な暮らしを守る基盤づくり」であります。
生まれ、育ち、暮らし、そして生涯を終える。人間の一生の過程において、誰もが一番に願うことは健康な心と体、そして安心と幸せを感じる社会環境であります。こうした社会環境を構築するためには、その基盤となり支えとなる保健、医療、福祉、介護及び教育の充実が強く求められます。とりわけ、本市の高齢化率は直近の数値で42.6%となっており、将来的に市民のほぼ2人に1人が高齢者という時代を迎えることが予想されますが、高齢者のみなさんが生き生きと生活し、活動されることは、まちづくりの原動力になることから、住み慣れた地域で健康で安心して暮らすことができるよう、交流活動、介護予防、福祉サービス等の充実に取り組んでまいります。
本市は、県内市町村、全国的に見ても、高齢化の進展が顕著であります。必要な介護、医療の提供はもちろんですが、一方で、元気なシニア世代が生き生きと人生を楽しむとともに、地域社会に参画、活躍することを行政としてサポートしていくことが重要です。
一方、少子化の進行は地域活力に直接的な影響を及ぼす事象であり、次代を担う子どもを安心して産み育てることのできる環境づくりは極めて重要な課題の一つであると認識しております。今年度から開始しているLINEアプリを活用した産婦人科・小児科オンライン相談事業、アウトリーチ型の養育支援訪問事業をはじめ、産後ケア事業の継続、病児保育施設の充実など、国・県及び関係機関との連携を強化する中で、一つ一つ取り組むことにより子育ての不安感を軽減し、安心して出産・子育てができる環境整備、支援策を進めてまいります。
また、今年8月に日向灘付近で発生した地震においては、南海トラフ地震臨時情報が発令され巨大地震発生の可能性が高まっているとの情報が周知されて以降、国民の不安感、危機意識が強まっています。本市も南海トラフ地震の影響を受ける地域に該当している上、近年頻発する豪雨災害により曽我川などの河川周辺地域に氾濫による被害がもたらされるなど、自然災害対策に関して重要課題として向き合ってまいりました。何よりも市民の生命と財産を守ることが行政の責任であり、今年4月に供用を開始した防災交流館Mimoroを拠点として、現在整備中の防災行政無線を緊急時の情報発信のツールとして最大限活用するなど、市民の生命、安全確保に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
また、高度経済成長期に整備した公共インフラの老朽化対策が、国・地方を問わず喫緊の課題であることが顕在化しました。本市におきましても、国が進める国土強靱化計画に呼応し、防災・減災対策、長寿命化対策に取り組むとともに、生活道路をはじめとする社会基盤の整備についても計画的な実施に努め、市民のみなさんの安全・安心を確保してまいります。
続いて、3番目は、「持続可能なまちづくり」であります。
本市は、平成29年4月に国の過疎地域指定を受けた後も、少子高齢化、人口減少の傾向が続いているところでありますが、地域づくりを進める上で農林業及び商工業、観光業等の産業振興は必要不可欠であります。今後も持続可能な都市基盤を維持、充実させるためには、移住・定住・交流人口の増加、ひいては地域コミュニティの継続にも関連性があることから、総合的な取組が必要であると考えております。 本市には、幸いにも、四季を通じて楽しむことができる豊富な自然資源やイベントがあり、交通アクセスも京奈和自動車道、国道24号線及び309号線、県道30号線など東西南北に国道・県道が走り、また、近鉄、JRの鉄道も整備されており、交通アクセスにおいても大きな優位性を持ち合わせております。また、金剛山、葛城山をはじめとする観光資源や環境を最大限に活用することで、本市のにぎわいと活力を生み出す無限の可能性を秘めていることから、多くの交流人口を呼び込む施策を講じることで、市内産業の活性化、経済の好循環を進め、税収確保、雇用増加、消費拡大に結びつけることが期待できます。特産物品の開発や販売促進、地域の食及び文化の継承と活用、さらには農家民泊への取組など、観光と農林業、商工業を一体的に捉えた観光産業の振興策を推進してまいります。
さらに、にぎわいと活力の創出には若者の力が必要となります。若者の流出を抑制し、定住促進を図るためには、働く場の創出が不可欠であり、地元企業の事業拡大支援、新規企業誘致にも積極的に取り組んでまいります。
本市には、農業に関し、経験に基づく知識と技術、誇りと情熱を持ったみなさんが数多くおられ、米をはじめ野菜、果樹など、多種多様な生産が行われております。これら農畜産物の付加価値・評価を高め、消費者からの信頼を勝ち得るごせブランド化の推進や、生産から加工、流通・販売を一体化する6次産業化の育成など、新たな視点と検証を加えた農業支援策に取り組んでまいります。また、新規就農者、後継者の営農など新たな農業者増加の芽を育てながら、農産物及び加工品の多様化、付加価値向上等に加えて、基盤整備など必要な支援を行ってまいります。加えて、担い手、後継者不足が深刻化する厳しい現状において、先祖代々引き継がれてきた土地を、愛着と誇りを持って耕作してこられた小規模農業従事者の方々の営みをサポートする施策を検討、研究してまいります。
林業においては、市内に豊かな森林資源を有しながら、近年、木材価格の低迷や森林所有者の高齢化、所有者不明森林の増加などから林業の生産活動は停滞し、手入れ不足の森林が増加しています。森林は第一次産業である林業のほか、生物多様性、水源涵養、景観、防災・減災、レクリエーションなど、多面的機能と公益性を併せ持つ重要な自然資源であります。この森林が適正に管理されていないことによって、山林の崩壊による大災害の可能性などさまざまな社会問題を生み出していることを鑑み、国の森林環境譲与税などを活用しながら、林業で生計が立てられる環境づくり及び人材育成、また、除間伐を含めた森林整備への施策を進めてまいります。また、その間伐材利活用の一環として、木質バイオマス事業などを持続可能とするため経営体制や事業者の育成、林業従事者の確保、販路拡大など、現下の課題を解消するための取組を進めます。
次に、観光施策であります。近年、豊かな自然環境や歴史・文化を求める観光に加え、地域独自の取組を生かした体験型の観光や着地型観光、さらにはルートにとらわれない自由な観光への関心が高まりを見せ、観光ニーズは一層多様化していると感じております。市の各所に点在する豊富な地域資源を十分に活用して、熱意ある市民、民間活力と行政がしっかりと連携、協力しながら、市内経済の好循環を生み出す、稼げる観光を目指してまいりたいと考えております。
また、近鉄・JR御所駅周辺整備事業につきましては、「未来へつなぐ みんなのゲートウェイ」をコンセプトとして、市の玄関口である近鉄・JR御所駅周辺地域ににぎわいと活力を創出し、持続可能な市全体の発展の推進力にしたいと考えております。その中心、象徴として、市役所、商業施設、市民交流の3つの主要機能を備えた一体的な複合施設を据え、都市基盤の維持と市民の利便性向上を進めてまいります。
また、歴史的な価値が高い御所まちについても、重要伝統的建造物群保存地区選定に向けて、住民の方々のご理解、ご協力を得ながら、環境整備及び機運醸成など必要な施策を進めてまいりたいと思います。
これら中心市街地の活性化の取組とともに、おおむね小学校区単位で各地域の資源、歴史、特性を生かし、住民の方々と行政がパートナーとして市域全域が元気になる拠点づくりを進めてまいりたいと思います。
我がふるさと御所には、金剛、葛城山の山並み、山麓風景をはじめとする豊かな自然環境、森林資源、そして里山、田園などの自然景観があります。また、葛城の道、巨勢の道をはじめ、市内に点在する神社仏閣、脈々と受け継がれる伝統行事などは、我がふるさとの誇りであります。この美しい自然、景観、文化を維持、継承することはもちろん、農林業を有機的に連携、結合することで、新たな産業の創出に資することも期待できます。
また、行政だけでなく、企業、民間団体、関係機関とのコラボレーションにより新たな付加価値を加味しながら、全国に御所の魅力発信を行ってまいりたいと思います。
一方で、市民サービス向上や事務事業の効率化に資する行財政改革を進めるほか、企業版ふるさと納税や企業誘致、観光施策の充実を図ることで、新たな財源を獲得し、将来を見据えた持続可能なまちづくりを推進してまいります。
以上、所信の一端を申し述べましたが、新たな施策、事業を実施するためには、当然に必要な財源を伴うことになります。本市は以前から市税等自主財源に乏しく、特別交付税、過疎対策事業債などの依存財源に頼らざるを得ない脆弱な財政基盤であります。経常収支比率をはじめとする本市の財政指標は県内でも下位に位置しており、今後、デジタルトランスフォーメーションや民間活力などを活用するなど、効率的かつ健全な行財政運営に一層の努力が必要となります。 私は、市政のかじ取りを預かる市長として先頭に立ち、国・県・関係機関と連携協力して、全力を挙げて必要な財源の確保に努めるとともに、限られた人材、財源で最大の市民サービスが提供できるように行財政改革に取り組んでまいります。
結びに。
「志定まれば 気盛んなり」これは、幕末及び明治維新に活躍する多くの志士を育てた吉田松陰の言葉です。人は目標がはっきりと定まり決心がつけば意気が高まり、その実現に向けて全力を尽くすことができるという意味です。
「来る人も 暮らす人も 心穏やかに過ごせるまち ごせ」という理念を掲げ、その理念の達成に向かい、あらゆるみなさんと共に手を取り合い、知恵を出し合いながら、そして私自身が市の先頭に立って職員を率い、誠心誠意、市政運営に邁進していく所存であります。
御所市には豊かな自然環境、歴史、文化、産業経済のポテンシャルがあり、温かく、そして熱い心を持つ市民のみなさん、市議会議員のみなさんと市職員がいます。御所市を愛するみなさんのお力を結集し、オール御所の体制を構築していくことが私に課せられた最大の役割であるとの認識を持ち、山積する課題に対し真正面から向き合ってまいることをここにお誓いを申し上げます。
何とぞ、市民のみなさん並びに市議会議員各位におかれましては、今後の市政運営に格段のご理解とご協力を賜りますようお願いを申し上げ、市長就任の所信表明とさせていただきます。

