○御所市政治倫理条例
平成12年3月31日
条例第14号
(目的)
第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その担い手たる市長、副市長、教育長(以下「市長等」という。)及び市議会議員(以下「議員」という。)が、市民全体の奉仕者として、その人格と倫理の向上に努め、自己の地位による影響力を不正に行使して、自己又は特定の者の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼に応え、公正で開かれた市政の発展に寄与することを目的とする。
(市長等及び議員の責務)
第2条 市長等及び議員は、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、自ら進んでその高潔性を実証するとともに常に市民全体の利益を擁護し、公共の利益を損なうようなことがあってはならない。
2 市長等及び議員は、政治倫理に違反する事実があるとの疑惑をもたれた場合は、第7条に定める政治倫理審査会に出席し、自ら潔い態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない。
(政治倫理基準)
第3条 市長等及び議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1) 市民全体の奉仕者としての品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしないこと。
(2) 刑法(明治40年法律第45号)の規定による贈収賄罪に該当するか否かを問わず、その職務の公正を疑わせるような金品等の授受の行為をしないこと。
(3) その地位を利用して、ハラスメント(他の者が不快に感じる言動又は行為をいう。)、嫌がらせ、威圧的な言動、過剰な要求その他の人権を侵害する行為をしないこと。
(4) 市が発注する工事等の請負(下請工事を含む。)、業務委託並びに物品及び使用資材等の購入(以下「工事等」という。)の契約に関して、特定の個人、企業、団体等の推薦又は紹介をするなど有利な取り計らいをしないこと。
(5) 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第244条の2第3項に規定する指定管理者の指定に関して、特定の個人、企業、団体等の推薦又は紹介をするなど有利な取り計らいをしないこと。
(6) 市が行う認可、許可及び命令に関して、特定の個人、企業、団体等のために有利な取り計らいをしないこと。
(7) 市から活動及び運営に対する補助又は助成等を受けている各種団体等の正副の長に就任しないこと。ただし、市又は教育委員会が関係する団体等の代表に当たる職に市長等が就任する場合は、この限りでない。
(8) 市職員(臨時的任用職員、会計年度任用職員及び特別職の非常勤職員を含む。)の採用に関し、推薦、紹介等その地位を利用して不正にその影響力を行使しないこと。
(9) 議員は、市職員の昇格、異動等の人事について関与しないこと。ただし、市議会議長(以下「議長」という。)が議会事務局職員の人事に関与することはこの限りでない。
(10) 市職員の公平な職務の遂行を妨げ、又はその権限若しくは地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。
(11) その地位を利用して、市職員に対する物品等の販売その他市職員との各種契約の締結を行わないこと。
(市民の責務)
第4条 市民は、自らも主権者として市政を担い、公共の利益を実現する責務を負うものであるとの自覚をもち、市長等及び議員に対し、その地位による影響力を不正に行使させるような、次に掲げる働きかけを行ってはならない。
(1) 前条第1項第4号に規定する工事等の指名又は選定の依頼
(2) 市職員の採用に関しての推薦又は紹介の依頼
(3) 市職員の昇格、異動等の人事に関する依頼
(4) 道義的批判を受けるおそれのある寄附行為
(5) その他飲食の供与等社会通念上疑惑をもたれるおそれのある行為
(市の工事等の契約に関する遵守事項)
第5条 次に掲げる企業(以下「関係企業」という。)は、第3条第1項第4号に規定する契約については辞退しなければならない。
(1) 市長等及び議員が役員をしている企業
(2) 市長等及び議員の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、1親等以内の親族又は同居の親族が役員をしている企業
(3) 市長等及び議員が実質的に経営に携わっている企業
(1) 市長等又は議員が資本金その他これに準ずるものの3分の1以上を出資している企業
(2) 市長等又は議員が年額100万円以上の報酬(住宅、車両その他の便宜供与を含み、顧問料等その名目を問わない。)を受けている企業
(3) 市長等又は議員がその経営方針に関与し、企業の役員と同程度の影響力を有する企業
3 市長等及び議員は、第1項の規定により該当する関係企業があるときは、速やかに、市民に疑惑をもたれないように責任をもって関係企業の辞退届を提出しなければならない。
4 前項の辞退届は、市長等又は議員の任期開始の日から30日以内に市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に提出するものとする。
5 議長は、前項の規定により提出された辞退届の写しを市長に送付しなければならない。
6 市長は、市長等及び議員から提出された辞退届を公表しなければならない。
(誓約書の提出)
第6条 市長等及び議員は、この条例を遵守する旨の誓約書を市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に提出しなければならない。
(政治倫理審査会の設置)
第7条 政治倫理確立に関する必要な事項を調査するため、法第138条の4第3項の規定に基づき、御所市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置する。
2 審査会の委員は、次の者の中から議長と協議のうえ市長が選任する。
(1) 専門的知識を有する者又は有識者 2人
(2) 法第18条に定める選挙権を有する市民 5人
3 審査会の委員の任期は、2年とする。ただし、再任は妨げない。委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 審査会は、委員定数の過半数をもって成立する。
5 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、出席委員の3分の2以上の者の同意を必要とする。
6 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた場合も、同様とする。
2 市長及び議長は、前項の規定による調査の請求を受けたときは、10日以内にその書面の写しを添えて審査会に調査を求めるものとする。
(審査会の調査)
第9条 審査会は、前条第2項の規定により調査を求められたときは、当該事実の存否の調査を行い、60日以内に調査結果報告書を市長及び議長に提出しなければならない。
2 市長及び議長は、前項の規定により調査結果の提出を受けたときは、10日以内に請求者に文書で回答するとともに、速やかに公表しなければならない。
3 審査会は、前項の調査を行うため、関係者から資料の提出を求め、事情聴取を行うことができる。
(遵守事項の違反行為に対する措置)
第10条 市長及び議長は、市長等及び議員が第5条に違反している疑いがあると認めるときは、速やかに審査会に調査を求めなければならない。
2 市長は、前項に規定する審査会の調査により、条例に定める政治倫理基準に違反する事実が認められたときは、調査結果を公表するものとする。
(職務関連犯罪による起訴後の説明会)
第12条 市長等及び議員が刑法第197条から第197条の4まで及び第198条に定める贈収賄罪、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)に定める罪その他職務に関連する犯罪の容疑により起訴され、なおその職にとどまろうとするときは、逮捕され、又は拘留されている場合を除き、市長又は議員にあっては議長に対し、議長にあっては副議長に対し、副市長及び教育長にあっては市長に対し、市民に対する説明会(以下「説明会」という。)の開催を請求しなければならない。この場合において、当該市長等及び議員は、説明会に出席し、説明しなければならない。
2 前項の説明会開催請求は、起訴された日から50日以内にしなければならない。
(市長等及び議員の協力義務等)
第13条 市長等及び議員は、審査会の要求があるときは、審査に必要な資料を提出し、又は会議に出席し意見を述べなければならない。
2 審査会は、必要があると認めたときは、公務所及び公私の団体等に照会して実態を明らかにするものとする。
3 審査会は、市長等及び議員が虚偽の報告をしたとき、又は調査に協力しなかったときは、その旨を公表するものとする。
(委任)
第14条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成12年6月1日から施行する。
附則(平成17年条例第25号)
この条例は、平成18年1月1日から施行する。
附則(平成18年条例第20号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成18年7月1日から施行する。
附則(平成18年条例第32号)
この条例は、平成19年4月1日から施行する。
附則(令和6年条例第25号)
この条例は、公布の日から施行する。