令和5年度文化財企画展「古文書が伝える御所町の姿 在郷町の景色と暮らし」
- [公開日:2023年10月27日]
- ID:3788
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令和5年度企画展を開催します。
古文書をひもとけば、昔の景観、人々の暮らしぶり、その地域の歴史や成り立ちなど、実に多種多様な情報を知ることができます。
本展では、江戸時代に在郷町として発展し、南大和の経済の中心地のひとつだった御所町をテーマにして、農作、商売、信仰などの多面的な世界を御所町に残る古文書から読み解いていきます。

開催期間および会場

開催期間
令和5年11月1日(水)から令和5年12月28日(木)まで
※開催期間中は無休で開館します。

開館時間
午前9時から午後5時まで

会場
御所市文化財展示室(奈良県御所市室102番地)

アクセス
奈良交通バス「宮戸橋」バス停から徒歩5分、御所市コミュニティバス西コース「室」バス停から徒歩5分

その他
観覧無料
※企画展およびその設営・撤収のため、令和5年10月25日(水)から令和6年1月12日(金)まで常設展示は見学できません。

企画展の概要

第1章 御所町の形成
元文5年(1740)、大洪水が御所町を襲います。この大洪水は「御所流れ」と呼ばれ、その恐ろしさは現在でも語り継がれています。御所町は中世末から江戸時代初めに成立したと言われていますが、当時の古文書は、御所流れによってほとんど流失してしまったため、町の成り立ちは謎に包まれています。その謎を解き明かす鍵となるのが、御所流れから2年後の寛保2年(1742)の検地関係の資料です。本章ではその資料を用いて、御所町の形成を垣間見ていきます。

『大和国葛上郡御所町御検地用集』 江戸時代 赤塚家文書

『御所町町場検地絵図』 寛保2年(1742) 赤塚家文書

第2章 周辺地域との関係
町や村はそれ一つで生活が完結するわけではなく、周辺の地域と助け合い、時には争いながら存立していました。古代より、村は人々の生活の必要性から自然派生的に形成されました。御所町周辺は葛城・金剛山麓から流れ落ちる水系によって形成されたので、そこから得られる水は複数の村々で共有されていました。また、その形成過程にひもづけられた信仰も生まれました。本章では、水利と信仰に注目して、昔から続く御所町と周辺地域との関係について探っていきます。

葛城川筋絵図 江戸時代 赤塚家文書

『寛永年氏神古書』 寛永15年(1638) 清村家文書

第3章 町役人の文書
御所町は農村地域の中に存在する都市、つまり在郷町として発展します。町の住民のほとんどは商品作物の販売で生計をたてていました。そうした人々を在郷商人と呼びます。しかし、商売を中心にしつつも、身分は百姓であるため領主に年貢を納めなければなりません。本章では、町役人の家に残る古文書から、当時の年貢の納め方や町の自治について紹介します。

『天明三卯年免札之写』 天明3年(1783) 赤塚家文書

『町定請書帳』 文政7年(1824) 中井家文書

第4章 御所町の商売
木綿や絞り油、売薬などさまざまな商店が軒を連ねた御所町の町場は、周辺農村の人々の往来が絶えない商業都市となっていました。本章では、御所町の商売をよく特徴づけ、また目をひき珍しいと思われる資料を展示します。

『早稲検見ニ付絵図』 万延元年(1860) 中井家文書

木綿仲間鑑札 安政5年(1858) 中井家文書
肥仲間鑑札 文化12年(1815) 中井家文書

関連講演会を開催します
- 日時 令和5年11月26日(日) 午後1時30分から午後4時まで
- 会場 御所市アザレアホール1階 文化ホール(展示会場とは異なります)
- 定員 200名(事前申込制、定員超過の場合は抽選)
- 講師 元天理大学教授 谷山 正道氏
- 演題 近世御所町の歴史と見所
※文化財課職員による報告もあります。

申込方法
講座への参加をご希望の方は、以下のサイトをご覧ください。(申込受付は11月16日まで)