○御所市空家等の適正管理に関する条例
平成28年3月14日
条例第1号
(目的)
第1条 この条例は、適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)第4条第1項の規定に基づく空家等に関する対策の実施その他の空家等に関する措置について、必要な事項を定めることにより、空家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって公共の福祉の増進と地域の振興に寄与することを目的とする。
(1) 空家等 市内に所在する建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
(2) 管理不全な状態 空家等が次に掲げるいずれかの状態にあることをいう。
ア そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
イ 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
ウ 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
エ その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
(3) 特定空家等 市長が認定する管理不全な状態にある空家等をいう。
(4) 所有者等 空家等の所有者又は管理者をいう。
(5) 市民等 市内に居住し、若しくは滞在し、又は通勤し、若しくは通学する者をいう。
(所有者等の責務)
第3条 所有者等は、地域周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、自らの責任において空家等の適切な維持管理に努めなければならない。
2 この条例の規定は、管理不全な状態にある所有者等と当該空家等が管理不全な状態にあることにより被害を受けている者又は受けるおそれのある者との間において、民事による事態の解決を図ることを妨げない。
(市の責務)
第4条 市は、法第7条第1項に規定する空家等対策計画の作成及び変更並びにこれに基づく空家等に関する対策の実施その他の空家等に関する必要な措置を講じるよう努めるものとする。
2 市は、所有者等及び市民等に対し、空家等の適正な管理に関する意識の啓発を行うものとする。
(市民等の役割)
第5条 市民等は、市の実施する空家等の適正な管理のための施策に協力するよう努めるものとする。
2 市民等は、管理不全な状態と思われる空家等を発見したときは、速やかに市長にその情報を提供するよう努めるものとする。
(協議会)
第6条 市長は、法第8条第1項に規定する協議会として、御所市空家等対策協議会(以下、「協議会」という。)を置く。
2 協議会は、委員10人以内をもって組織する。
3 協議会の委員(以下「委員」という。)は、市長のほか次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 学識経験者
(2) 関係行政機関の職員
(3) その他市長が必要と認める者
4 委員の任期は、2年とし、再任されることを妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、市長が別に定める。
(立入調査等)
第7条 市長は、第5条第2項の情報提供を受けたとき、又は必要があると認めるときは、法第9条第1項の規定により、市の区域内にある空家等の所在及び当該所有者等を把握するための調査その他空家等に関しこの条例の施行のために必要な調査を行うことができる。
3 市長は、前項の規定により当該職員又は委任した者を空家等と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、この限りでない。
4 第2項の規定により空家等と認められる場所に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
5 第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(所有者等に関する情報の利用等)
第8条 市長は、固定資産税の課税その他の事務のために利用する目的で保有する情報であって氏名その他の所有者等に関するものについては、法第10条第1項の規定により、その保有にあたって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
2 市長は、法第10条第3項の規定により、関係する地方公共団体の長その他の者に対して、所有者等の把握に関し必要な情報の提供を求めることができる。
(空家等に関するデータベースの整備等)
第9条 市は、空家等(建築物を販売し、又は賃貸する事業を行う者が販売し、又は賃貸するために所有し、又は管理するもの(周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切に管理されているものに限る。)を除く。以下この条から第11条までにおいて同じ。)に関するデータベースの整備その他空家等に関する正確な情報を把握するために必要な措置を講じるよう努めるものとする。
(所有者等による空家等の適切な管理の促進)
第10条 市は、所有者等による空家等の適切な管理を促進するため、これらの者に対し、情報の提供、助言その他必要な援助を行うよう努めるものとする。
(空家等及び空家等の跡地の活用等)
第11条 市は、空家等及び空家等の跡地(土地を販売し、又は賃貸する事業を行う者が販売し、又は賃貸するために所有し、又は管理するものを除く。)に関する情報の提供その他これらの活用のために必要な対策を講じるよう努めるものとする。
2 市長は、前項の規定により認定をしようとするときは、あらかじめ協議会において協議することができる。
(勧告)
第14条 市長は、前条の規定による助言又は指導をした場合において、なお当該特定空家等の状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。
(命令等)
第15条 市長は、前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。
2 市長は、前項の措置を命じようとするときは、あらかじめ協議会において協議するものとする。
3 市長は、第1項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対し、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
4 前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から5日以内に、市長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。
7 第5項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
8 市長は、第1項の規定による命令をした場合においては、標識の設置その他国土交通省令・総務省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。
10 第1項の規定による命令については、御所市行政手続条例(平成10年御所市条例第2号)第3章(第12条及び第14条を除く。)の規定は、適用しない。
2 市長は、前条第1項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができないとき(過失がなくて第13条の助言若しくは指導又は第14条の勧告が行われるべき者を確知することができないため前条第1項に定める手続により命令を行うことができないときを含む。)は、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、市長又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。
3 市長は、前2項の代執行をしようとするときは、あらかじめ協議会において協議するものとする。
(緊急安全措置)
第17条 市長は、空家等の状態に起因して、人の生命、身体又は財産に危害が及ぶことを回避するため緊急の必要があると認めるときは、当該所有者等の負担において、これを回避するために必要最小限の措置を講ずることができる。
2 市長は、前項の措置を講ずるときは、当該空家等の所在地及び当該措置の内容を当該所有者等に通知(所有者等又はその連絡先を確知することができない場合にあっては、公告)をしなければならない。ただし、緊急かつやむを得ないと認められるときは、この限りでない。
3 第1項の措置を行う者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
(関係機関との連携)
第18条 市長は、特定空家等による危険を回避するために必要があると認めるときは、市の区域を管轄する警察その他の関係機関に対し、情報の提供その他必要な協力を要請することができる。
(委任)
第19条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
附則(令和5年条例第28号)
この条例は、公布の日から施行する。