○御所市土砂等によるたい積行為の規制に関する条例

平成25年3月15日

条例第5号

(目的)

第1条 この条例は、土砂等によるたい積行為について必要な規制を行うことにより、生活環境の保全及び災害の防止を図り、もって市民の安全と良好な生活環境を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 土砂等 土砂及びこれに混入又は吸着した物で、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物以外のものをいう。

(2) たい積行為 埋立て、盛土その他の土地(公有水面以外の水面を含む。)へのたい積行為をいう。

(3) 事業 土砂等によるたい積行為をいう。

(4) 事業区域 事業を施工する土地の区域をいう。

(5) 事業施工主 自らその事業を施工する者又は請負においてその事業を施工する場合においてはその発注者をいう。

(6) 土地所有者等 事業施工区域内の土地の所有者、占有者又は管理者をいう。

(適用範囲)

第3条 この条例は、次に掲げる事業に適用する。

(1) 事業区域の面積が500平方メートル以上の事業(事業区域の面積が500平方メートル未満の事業で、当該事業区域に隣接し、又は近接する土地において、当該事業を施工する日前1年以内に事業が施工され、又は施工中の事業の場合においては、当該事業の事業区域と既に施工され、又は施工中の事業の事業区域との面積を合算した面積が500平方メートル以上となるものを含む。)

(2) たい積行為を行う部分の高さが、現況の地盤の高さから1メートル以上となる事業(前号に掲げる事業を除く。)

2 前項の規定にかかわらず、この条例は、次の各号のいずれかに該当する事業等に対しては、適用しない。

(1) 国若しくは地方公共団体又は公団等が行う事業

(2) 法令等の規定による許可、認可等を受けて行う事業

(3) 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物のうち、専ら自己の居住に供するために行う事業

(4) 通常の管理行為又は軽易な行為

(5) その他公益性のある事業で、市長が必要と認めるもの

(事業施工主の責務)

第4条 事業施工主は、事業を施工するに当たり、当該事業区域の周辺区域の住民の理解を得るとともに、生活環境の保全及び災害の防止を図るために必要な措置を講じなければならない。

2 事業施工主は、事業の施工による土砂等の発生を抑制するよう努めるとともに、当該事業施工主により生活環境の保全上の支障又は災害の発生するおそれのあるたい積行為(以下「不適切なたい積行為」という。)を行ってはならない。

3 事業施工主は、当該事業の施工に係る苦情及び紛争が生じたときは、誠意を持ってその解決に当たらなければならない。

(土地所有者等の責務)

第5条 土地所有者等は、事業施工主に対し事業用地を提供しようとするときは、当該事業において不適切なたい積行為が行われないことを確認するとともに、県及び市が実施する土砂等のたい積行為の適正化に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事前協議)

第6条 第3条に規定する事業を行おうとする事業施工主は、次条第1項に規定する許可の申請を行う前に、事業計画について市長と協議をしなければならない。

(事業の申請及び許可)

第7条 事業施工主は、事業の開始前に、市長に申請して許可を受けなければならない。

2 前項に規定する許可を受けた事業施工主(以下「許可事業主」という。)は、当該事業の内容を変更するときは、あらかじめ市長に申請し、許可を受けなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更については、この限りでない。

3 市長は、前2項に規定する許可に際し、環境の保全及び災害の防止を図るため必要があると認めるときは、条件を付すことができる。

4 第1項に規定する許可の有効期間は、許可の日から起算して1年以内とする。ただし、1年を超える事業については、期間満了の日の1か月前までに更新手続を行わなければならない。

5 許可事業主は、第1項及び第2項に規定する事業の許可の内容に基づき、適正に当該事業を行わなければならない。

(許可の基準)

第8条 市長は、前条第1項及び第2項に規定する申請の内容が、次の各号に掲げる措置が講じられていると認められるときでなければ許可をしてはならない。

(1) 事業区域並びにその周辺地域における道路、河川及び水路その他の公共施設の構造等に支障が生じないよう、必要な措置が講じられていること。

(2) 事業区域及びその周辺地域における自然環境の保全について必要な措置が講じられていること。

(3) 騒音、振動、粉じん、水質汚濁、土壌汚染その他の公害発生の防止について必要な措置が講じられていること。

(4) いっ水防止、土砂等の流出防止その他の安全確保について必要な措置が講じられていること。

2 前項各号に規定する措置に係る施工上の基準等は、事業の方法等に応じて規則で定める。

3 市長は、事業施工主が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77条)第2条第6号に規定する暴力団員に該当するときは、許可しないものとする。

(事業の開始)

第9条 許可事業主は、当該許可に係る事業を開始しようとするときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。

(名義貸しの禁止)

第10条 許可事業主は、自己の名義をもって他人に当該事業を行わせてはならない。

(氏名等の変更の届出)

第11条 許可事業主は、その住所又は氏名(法人にあっては主たる事務所の所在地、名称又は代表者の氏名)等に変更があったときは、遅滞なく市長に届け出なければならない。

(地位の承継)

第12条 許可事業主について相続、合併又は分割(その事業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、相続人(相続人が2人以上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者)、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割によりその事業の全部を承継した法人は、その許可事業主の地位を承継する。

2 前項の規定により許可事業主の地位を承継した者は、その承継した日から起算して14日以内にその旨を市長に届け出なければならない。

(措置勧告)

第13条 市長は、許可事業主が事業区域、事業計画その他許可を受けた事項又は第8条に規定する許可の基準に違反して事業を施工しているときは、許可事業主に対して期限を定めて改善措置を講ずるよう勧告するものとする。

(措置命令)

第14条 市長は、許可事業主が前条の規定による勧告に従わないときは、期限を定めて必要な措置を講ずるよう命ずることができる。

2 市長は、事業の許可を受けずに事業を施工している事業施工主又は前項の規定による命令に従わずに事業を施工している許可事業主に対し、当該事業の停止を命じ、期限を定めて原状回復その他必要な措置を講ずべき旨を命ずることができる。

(許可の取消し)

第15条 市長は、許可事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、事業の許可を取り消すことができる。

(1) 前2条に規定する勧告又は命令に従わないとき。

(2) 第8条第3項に規定する者であることが判明したとき。

(3) 偽りその他不正な手段により事業の許可を受けたとき。

2 市長は、前項の規定により許可の取消しをしたときは、許可事業主(前条の規定により、すでに必要な措置を講ずべき旨の命令を受けている者を除く。)に対して、期限を定めて原状回復その他必要な措置を講ずべき旨を命ずることができる。

(意見聴取)

第16条 市長は、次の各号に定める命令又は処分を行おうとするときは、当該処分に係る事業施工主に対し、あらかじめ期日、場所及び内容について通知した上、意見聴取を行わなければならない。ただし、事業施工主が意見聴取に応じないときは、意見聴取を行わずに処分をし、及び次に掲げる措置を講ずることができる。

(1) 第14条第2項に規定する停止命令又は措置命令

(2) 前条に規定する許可の取消し又は措置命令

2 意見聴取の手続に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(代執行)

第17条 市長は、第14条又は第15条第2項の規定による命令を受けた事業施工主が指定期間内に命ぜられた措置を履行しないときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところにより、自ら事業施工主が行うべきことを行い、又は第三者をしてこれを行わせ、その費用を事業施工主から徴収することができる。

(土地所有者等に対する措置勧告)

第18条 市長は、許可を受けて施工された事業により、生活環境の保全又は災害の防止を図るための措置が必要となったと認めるときは、当該事業に係る土地所有者等に対し、当該事業に供された土砂等の全部若しくは一部を除去し、又は生活環境の保全若しくは災害の防止のために必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

(進捗状況等の報告)

第19条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、許可事業主に対し事業の進捗状況その他必要な事項を報告させることができる。

(立入検査)

第20条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、当該職員又は市長が指名した者(以下「職員等」という。)に、事業施工主その他関係者の事務所若しくは事業所又は事業区域内に立ち入り、事業の状況若しくは施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。

2 前項の規定による立入検査を行う職員等は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(事業の中止又は廃止)

第21条 許可事業主は、当該事業を中止又は廃止しようとするときは、中止又は停止しようとする日の20日前までにその旨を市長に届出をし、次項に定める確認を受けなければならない。

2 市長は、前項の届出があったときはその内容を確認し、当該許可に付した条件に違反し、又は第8条に定める許可の基準に違反していると認めるときは、許可事業主に対し期限を定めて原状回復その他必要な措置を講ずべき旨を命ずることができる。

(完了報告)

第22条 許可事業主は、当該事業を完了したときは、その旨を市長に報告しなければならない。

2 前条第2項の規定は、前項に規定する報告について準用する。

(緊急時の報告)

第23条 許可事業主は、予期しない土砂の崩落、飛散、流出等により付近の生活環境に被害を与えたとき又は与えるおそれがあるときは、直ちに市長に報告しなければならない。

(標識の設置)

第24条 許可事業主は、事業区域付近の公衆の見やすい場所に、事業の施工期間中、氏名又は名称、現場責任者の氏名及び職名その他規則で定める事項を記載した標識を設置しなければならない。

(違反事実の公表)

第25条 市長は、事業施工主が第14条第15条第2項第21条第2項又は第22条第2項の規定による命令に違反したとき、第15条第1項の規定による許可の取消しを受けたとき又は第18条に規定する勧告に従わなかったときは、その事実を公表することができる。

(委任)

第26条 この条例に定めるもののほか、たい積行為の規制に関し必要な事項は、市長が規則で定める。

(罰則)

第27条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

(1) 第7条第1項の規定による許可を受けないで事業を行った者

(2) 第14条又は第15条第2項の規定による命令に違反した者

第28条 次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。

(1) 第9条又は第11条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

(2) 第10条の規定に違反し、名義貸しを行った者

(3) 第20条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

(4) 第21条第2項(第22条第2項の規定により準用する場合を含む。)に規定する命令に違反した者

第29条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。

(1) 第21条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

(2) 第19条又は第22条第1項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

(3) 第24条の規定による標識を掲示しなかった者

(両罰規定)

第30条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、平成25年7月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に事業を行っている者は、この条例の施行の日から起算して3月間は、第7条第1項の規定にかかわらず引き続き当該事業を行うことができる。その者が、当該期間内に同項の許可の申請をした場合において、当該申請について許可又は不許可の処分があるまでの間も、同様とする。

御所市土砂等によるたい積行為の規制に関する条例

平成25年3月15日 条例第5号

(平成25年7月1日施行)